糖尿病網膜症について
糖尿病網膜症とは?
近年、患者数の増加が著しい病気の1つに糖尿病があります。糖尿病には三大合併症といわれるものがあり、その1つが『糖尿病網膜症』です。
糖尿病網膜症は糖尿病と診断された時点から定期的な検査・治療により進行を防げる可能性が高い病気です。しかし、糖尿病を放置している人が少なくなく、多くの方が糖尿病網膜症で視力を失い、成人の失明原因として非常に大きな比率を占めています。
● 糖尿病が原因で起こる合併症
細い血管の障害で起こる合併症(糖尿病網膜症、糖尿病腎症および糖尿病神経障害)と、大きな血管の障害で起こる合併症(脳梗塞、心筋梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症)、その他に起こりやすい合併症(皮膚病、感染症)
糖尿病神経障害
糖尿病網膜症
脳梗塞
脳卒中
心筋梗塞
糖尿病腎症
下肢閉塞性動脈硬化症
糖尿病網膜症の進行段階
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単純網膜症 網膜の毛細血管がもろくなり眼底に点状出血や硬性白斑、毛細血管瘤が出現します。
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増殖前網膜症 単純網膜症の病変に加えて、軟性白斑や網膜内細小血管異常が出現します。
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増殖網膜症 視力低下が起こる場合がほとんどです。硝子体出血や網膜剥離が発生し、最悪の場合失明に至るケースもあります。
※単純網膜症、増殖前網膜症の場合は自覚症状がほとんど無い事が多いです。
正常な網膜
1. 単純網膜症
2. 増殖前網膜症
3. 増殖網膜症
治 療
1. 血糖コントロール
内科主治医の指示に従って適度な運動や食事制限を行うことは糖尿病治療の基本事項です。眼科の治療を効果的にするためにも血糖コントロールは不可欠です。
2. レーザー光凝固術
網膜にレーザーを照射し、黄斑浮腫の治療・新生血管の発生を防ぎます。糖尿病網膜症の進行を止める目的で行います。
3. 硝子体手術
眼球内の硝子体(眼球の中身のゼリー状のもの)に出血を起こす硝子体出血や、網膜剥離が起きた場合には硝子体手術が必要となります。硝子体手術では眼球に小さな穴を3箇所作成し、そこから硝子体カッターや眼内レーザーを使用し眼内の出血や網膜剥離に対する治療を行います。
気になる症状があれば、お気軽にご相談下さい。
当院では内科と連携し、検査・治療を行っております。糖尿病網膜症は自覚症状の無い状態からの定期検診が非常に大切です。